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全国唯一信大の雷鳥標本を調査 北大准教授・江田真毅さん

 信州大学理学部(松本市旭3)で30日、北海道大学総合博物館の准教授・江田真毅さん(43)が信大自然科学館収蔵のニホンライチョウとされる骨格標本を調査した。現在絶滅危惧種となっており、全身骨格として公になっているものは唯一という。最終氷期(約1万2000年前)以降のニホンライチョウの分布を調べる上での識別基準のデータとして役立てられる。

 信大の骨格標本は、記録によると100年以上前の大正時代初期に作られ、当時の松本女子師範学校から引き継がれた。ニホンライチョウの雌とされ、高さは約20センチある。江田さんは標本の部位ごとに骨の長さなどを測定し、部分的な骨から集めてきたニホンライチョウのデータと近い値が得られたという。
 国立研究開発法人森林研究・整備機構「森林総合研究所」などの研究プロジェクトの一環で、江田さんは国内の遺跡で出土したキジ科の鳥類の骨がニホンライチョウかどうか識別することなどで過去の分布の復元を試みている。
 冷涼な気候に適応した鳥で、現在は本州の中部高山帯にのみ分布しているが、かつてはより広範囲に生息していたと予測されている。これまで遺跡出土の骨が科学的な根拠に基づきニホンライチョウと特定された例は明らかになっておらず、今回の調査を反映した研究成果は9月の日本鳥学会で報告される。
 江田さんは「ほぼ全身を測れる標本は非常に貴重。亜種の中でのニホンライチョウの特徴も明らかになるのでは」と話している。信大では剥製22体も収蔵しており、今後信大などの研究者らがDNAを抽出・解析する研究展開も計画している。