地域の話題

新村のプチ送迎ボランティア 支え合い大事に1000回に

 松本市新村地区の住民有志が高齢者の通院や買い物を送迎する会員制の地域支え合い事業「プチ送迎ボランティア」が30日、平成24年11月の運行開始から1000回の節目を迎えた。利用者も運転者も賛同者も全てがボランティア会員という仕組みで、延べ2564人が使った。「医療・買い物難民をなくしたい」との思いが実を結び、地域の「足」として定着している。

 現在の会員は利用者33人、運転者21人、賛同者61人、それぞれが2000円の年会費を負担している。事前に決められたルートで週3回運行され、利用者の自宅と地区内外の医療機関やスーパーストアの間を送迎している。
 運行の開始時から通院で週1回は利用しているという手塚英子さん(89)は、1000回目の運行日に偶然当たった。「これだけのことをしていただけるのは相当なこと。本当にありがたくて感謝しています」と、しみじみと語っていた。
 プチ送迎ボランティアの取り組みは、19年に松本大学の学生が高齢者から「バス停まで歩くのが大変」との話を聞いたのがきっかけで始まった。資金も送迎用車もない中、プチ送迎ボランティア組織の上原哲郎会長が個人の車を提供し、町会長が運転者を務め、運行ルートも2医療機関に限って利用者3人でのスタートだった。
 26年には町会の補助金や市の事業を利用して送迎車を購入し、28年には運行回数が500回、延べ利用者1200人を達成した。29年には、地域課題を住民が主体となって解決する仕組みをつくったことや、身近な実践が地域の支えに直結していることなどが評価され、総務省の「ふるさとづくり大賞」で総務大臣賞を受けた。
 30日には1000回を記念して新村公民館で出発式が開かれ、関係者が集まって節目を祝った。8月11日には新村公民館で記念感謝祭を開く。新村地区町会連合会の山田泰雄会長(70)は「地域にこういう組織があることが驚きで、ボランティア精神がないと事業は成り立たない。新村には素晴らしい人たちがいる」と語った。