地域の話題

御嶽山頂で冥福祈る 噴火災害の遺族や不明者の家族が登山

山頂に設けられた献花台に花を供え、読経する堀口さん夫妻

 平成26年9月の御嶽山噴火災害の遺族や不明者の家族らでつくる「山びこの会」は28日、噴火災害から間もなく5年となる御嶽山に登った。7組15人が参加した。山頂で犠牲者の冥福を祈り、「さらに安全に登れる山になってほしい」との思いも新たにした。

 噴火災害で長男の英樹さん=当時(37)=を亡くした堀口純一さん(72)=岡山県赤磐市=は、「今年もここに来ました」と、夫婦で花を手向け、ビールとつまみも供えた。「誰の責任ということではなく、なぜこのような災害が起こったのかが明らかになってほしい」と願った。
 行方不明となっている野村亮太さん=当時(19)=の父・敏明さん(59)と叔父・正則さん(56)=ともに愛知県刈谷市=も手を合わせた。噴火当日、亮太さんと一緒に登っていた正則さんは、亮太さんが行方不明になった「八丁ダルミ」の方向に遺影を向け「近くにはいるはずです」と語った。
 今年は噴火後初めて、シーズンを通して木曽町の黒沢口登山道から剣ケ峰山頂まで登ることができる。八丁ダルミは、剣ケ峰と王滝頂上との間にあるが、噴火災害後から入山規制が続いている。王滝村は、王滝頂上に至る王滝口登山道の立ち入り規制を9月末にも解除する計画だが、一帯の規制解除の日程は未定だ。敏明さんは「今年中に息子の近く(八丁ダルミ近くの王滝頂上)に行きたい」と願った。
 八丁ダルミで噴石を浴び、大けがを負った会社員・鈴木康夫さん(62)=松本市=が慰霊登山をサポートした。「『山頂で慰霊をしたい』とする遺族らの思いはとても強い。自分にできることで力になりたかった」と話した。