地域の話題

クビワコウモリ保護検討 乗鞍で県環境審の専門委

 本州中部に生息する日本固有種で、国内で唯一、松本市安曇乗鞍高原に繁殖地が確認されているクビワコウモリ(県絶滅危惧ⅠB類、国絶滅危惧Ⅱ類)の保護対策を話し会う県環境審議会の専門委員会が25日、県乗鞍自然保護センターで開かれた。県職員や専門委員、観察・保護に取り組む「クビワコウモリを守る会」の会員ら12人が意見を交わした。

 県の希少野生動植物保護条例に基づき、平成18年度から80指定種を対象に策定を進めている保護回復事業計画で、クビワコウモリで15種目となる。専門委は計3回の会合を予定し、11月の中間報告後に県民の意見も募った上で、来年3月に審議会に保護対策を盛り込んだ計画案を答申する。
 初会合では、センター近くのクビワコウモリの繁殖用施設「バットハウス」を調査した上で近年の生息状況について情報・意見交換をした。乗鞍高原では、毎年6~9月に妊娠した雌による出産哺育集団(コロニー)が確認されている。20年ほど前までは200匹以上が集まる大きなコロニーがあったが、主なねぐらだった民家や宿泊施設の改修で近年は50~60匹ずつの小コロニーに分散したとみられる。
 現代の家屋は古い民家よりねぐらに適さない可能性がある。観察・保護活動は現在「守る会」が主に担っている。会合では、民家近くに代替繁殖施設を設けることや、保護活動への理解を促すための環境教育・地域活動を行うことなどが提案された。「守る会」の山本輝正会長(59)は「単に好きな人たちが守るだけでは中長期的な保護は難しい」と指摘した。
 委員長を務める中村寛志信州大学名誉教授(69)はクビワコウモリの保護対策について「地域内でいかに価値観を共有できるかが課題だ。みんなで考えていければ」と願った。

連載・特集

もっと見る