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ピアノで育もう地域の輪 安曇野出身の神谷さん南涯館に無償貸与

 国の登録有形文化財に登録されている松本市笹賀の信州松本南涯館に、アップライトピアノが常設された。安曇野市出身で、ボランティアで演奏活動などをしている神谷悟さん(61)=東京都=が、妻の実家に眠っていたピアノを調律して無償貸与した。コンサートでの演奏だけでなく、同館を見学にきた一般の人にも自由に弾いてもらうとし、館主の大嶋三紀夫さん(66)は「ピアノをきっかけに地域のコミュニティーの輪が広がれば」と願っている。

 アップライトピアノはヤマハの昭和39年製で、上前板の右上部に金色で「YAMAHA」の文字が入れられている。当時製作されたピアノに特徴的なデザインだといい、マホガニーを使った深紅の外観は本棟造りの南涯館の雰囲気とマッチしている。
 南涯館は平成26年から、コンサートやセミナーなど地域のコミュニティーの場としても活用されている。日本コカリナ協会に所属する神谷さんは約3年前に南涯館で開かれたコンサートに出演し、音の響きなどから「ピアノがあればいいな」と感じたという。市民タイムスのコラムニストを務めたこともある神谷さんは、安曇野市の妻の実家を改修する際にピアノの引き取り手を考え、南涯館に置くことを思い付いた。
 ピアノの修繕や調律などを行うサウンドパートナー(松本市空港東)が外側を磨き、神谷さんが内部のさびを取ったりピアノ線をたたくハンマーの調節や調律をしたりして、約半世紀前の音をよみがえらせた。今後も神谷さんが調律を行う予定で、「ピアノは音色を奏でてこそ。多くの人に弾いてほしい」と願っている。これまでコンサートの出演者や来場者からピアノを求める声が多くあったといい、大嶋さんは「ありがたい」と感謝している。
 ピアノは27日のコンサート「お尚とJAZZ仲間たちライブ」でお披露目される。コンサートは午後2時からで、大人2000円(当日券2500円)、高校生以下1000円(同1500円)。申し込み、問い合わせは大嶋エージェンシー(電話0263・38・0066)へ。