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豚コレラ防疫強化 松本地域もワクチン散布へ

 塩尻市上西条で死骸で発見された野生イノシシ1頭が豚コレラに感染していたことが確認され、半径10㌔圏内に養豚場があることを受け、県は22日、県庁で緊急の庁内連絡会議を開き、塩尻市を中心に松本地域でも経口ワクチンを緊急散布する方針を固めた。半径10㌔圏内にある県畜産試験場(塩尻市片丘)と民間の養豚場を、防疫体制を強化する「監視対象農場」に指定し、豚の遺伝子検査を実施した。早ければ23日にも検査結果を公表する予定で、感染拡大の防止に全力を挙げる。

 豚コレラに感染した豚がいる養豚場では、感染拡大を防ぐために全頭殺処分されることから、畜産業に与えるダメージは深刻だ。豚コレラは人に感染することはなく、感染した豚の肉が市場に出回ることはないが、風評被害も懸念されることから対策を急ぐ必要があるとして、緊急の庁内連絡会議を開いた。
 塩尻市上西条の感染した野生イノシシが見つかった地点から、県畜産試験場は約3㌔、民間の養豚場は約8㌔しか離れていない。県畜産試験場は出荷する豚を含め計300頭を飼育している。連絡会議で県農政部の山本智章部長は「半径10㌔圏内で感染が確認されたことで、養豚場への感染のリスクは高まっている。防疫体制を一段上げる必要がある」と述べた。感染拡大を防ぐため、木曽地域と下伊那郡根羽村の周辺で散布した経口ワクチンを松本地域でも緊急散布する方針を示した。
 県は22日朝、監視対象農場に指定した県畜産試験場と民間の養豚場に立ち入り検査を行い、畜舎の出入り口に緊急消毒を実施した上で豚の遺伝子サンプルを採った。また、野生イノシシの遺伝子検査をする「調査捕獲地域」に、新たに松本市と朝日村、大桑村など11市町村を加えた。
 県内では、7月に入って豚コレラに感染した野生のイノシシが相次いで見つかっており、感染数は計12頭に上る。県園芸畜産課は「感染頭数が拡大しており、待ったなしの状態だ。松本地域への経口ワクチンの散布を急ぎたい」としている。

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