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高齢者の移動支援学ぶ 安曇野で事例報告

 安曇野市は22日、住民が事業主体となった高齢者の外出・移動支援サービスを学ぶ福祉関係者向けの研修会を市役所で開いた。高齢者世帯が増えて需要が高まっている上、高齢ドライバーによる痛ましい事故が社会問題に浮上していることもあり、初めてテーマに据えた。市のデマンド交通「あづみん」とは別に、助け合いの精神で地元高齢者の送迎サービスを行っている市民の活動事例などが報告された。

 研修会には民生児童委員や区長、社会福祉法人の関係者など約140人が参加し、講演や活動報告を聞いた。
 市社会福祉協議会の北村早希さんは、三郷地域の住民が地元高齢者を対象に個人で行っている「無償型マイカー送迎」を紹介。あづみんではカバーしきれないきめ細かな需要に応えようと、ガソリン代などの実費のみの利用者負担で昨年6月からマイカーを走らせ「賛同者を広げて活動を広げていきたい」と考えている実施者の思いを語った。
 講演では、NPO法人・全国移動サービスネットワーク(東京都)の河崎民子副理事長が全国の事例を紹介した。高齢者の移動が困難になると、生きがいの喪失、転倒リスクの増大、低栄養化などで医療費や介護費が増える可能性があると警鐘を鳴らし「これからの自治体の大きな課題だ」と指摘した。
 乗り合い型タクシーのあづみんは、運転免許を返納する高齢者の移動手段の受け皿として期待される半面、1回の乗車の移動範囲が限られるなど不便な点がありタクシー業界との兼ね合いもある。市保健医療部は「行政だけではできることに限界がある。自分たちで始められることを考えるきっかけになれば」としている。