地域の話題

生坂の旧平林家住宅 国の登録有形文化財に

国登録有形文化財に登録される旧平林家住宅の主屋

 国の文化審議会は19日、生坂村で近世に庄屋を務めた平林家の歴史を伝え、村出身の法学者・加藤正治(1871~1952)の生家としても知られる「旧平林家住宅」を国の登録有形文化財に登録するよう柴山昌彦文部科学相に答申した。後世に残そうと村が2年前に所有者から購入し登録に向けて調査を進めてきた建物で、関係者に喜びが広がっている。生坂村では初めての国登録有形文化財となる。

 旧平林家住宅は上生坂区の旧道沿いにあり、古くからの屋号にちなむ「一星亭」として親しまれてきた。登録されるのは、住宅の主屋、土蔵3棟、南門、物置の計6件になる。
 主屋は江戸後期に建てられた木造2階建て延べ485平方メートルの大型民家で、生坂がタバコ産地として知られた往時の名残を留める。タバコの葉の乾燥などが行われた2階の大きな作業部屋、風格ある座敷なども特徴の一つだ。
 土蔵は、主屋背面に立つ東土蔵、西土蔵、主屋南西にある南土蔵の3棟が登録される。屋敷構えを構成する貴重な建物で、天保11(1840)年~安政6(1859)年にかけて建築された。
 村は住宅の活用法について、住民有志や加藤正治の近親者でつくる加藤正治顕彰会と話し合っている。老朽化に伴う耐震改修や修繕が今後の課題だったが、登録を一つの弾みに検討を進める考えで、藤澤泰彦村長は「村の歴史文化、生坂に生まれ育った偉人の功績を伝え、教育にも役立つような活用ができれば」と話す。活用の一例として、村の文化施設にある加藤正治関連の史料、村で盛行したタバコの生産販売の歴史を伝える資料を展示する構想もある。
 平林家14代当主の平林正行さん(82)=安曇野市豊科=によると、住宅には先代の正雄さん(故人)が平成9年まで暮らしていた。平林さんは「古くからの価値を認めていただきありがたい。後世に守り継いでもらえたら」と願っている。