政治・経済

新松本工業団地の分譲完了へ 目標より1年半早く

 松本市が平成23年度に開始した新松本工業団地(和田)の分譲が9月にも完了する見通しとなった。18日に市役所で開かれた市工業団地等分譲企業選考委員会で、残り2区画に申し込みのあった県内外2企業の分譲が「適格」となり、市は市議会9月定例会に土地分譲に伴う財産処分議案を提出する。令和2年度末までの10年間で分譲を完了させる目標だったが、1年半前倒しでの達成となる。

 市が整備した工業団地や産業団地は市内に7カ所あり、分譲可能な区画は今回でゼロになる。市は造成の必要性を含め、年度内に新たな工業団地の検討に着手する考えだ。
 選考委員会で適格と判断されたのは、業務用洗浄装置の設計・製造・販売の田中機器製作所(島内)と、栄養検査や健康食品・サプリメント製造・販売のユカシカド(東京都渋谷区)で、IT(情報技術)などを積極活用した「知識集約型企業」であるかどうかや事業計画の適格性などが審査された。ユカシカドは、新松本工業団地で初めてのベンチャー企業になる。
 田中機器製作所は事業拡張に伴う新工場の設置で7573平方㍍の区画を取得する。令和3年春に工場稼働の予定で、田中幸一社長は取材に「新型の洗浄機などの開発も進めたい」と説明した。
 ユカシカドは兵庫県内に検査キットの製造出荷工場が、滋賀県内に検査施設があり、事業拡張に伴って松本に進出する。1584平方㍍の区画に「事業を新しく展開していく上でのバックヤード機能を備えた施設」(同社広報担当)を設置するという。松本市を選んだ理由として、市が最重要施策に健康寿命延伸都市構想を掲げていることや、近隣自治体を含めての水の清らかさや信州大学の存在などを挙げている。
 新松本工業団地は県道松本環状高家線沿いの14・2㌶で、今回の2社を含めて全13区画に12社が立地する。このうち9社が県内で3社が県外となる。一時は市議会などで分譲不振が心配されたが、企業の設備投資に対する意欲が高まったことで引き合いが強く、首都圏などでの誘致活動なども実を結び、目標より早く分譲が完了する見通しとなった。