地域の話題

信大人文学部学びの場創出 市民や企業、自治体と連携

 信州大学人文学部(松本市旭3)は本年度、市民や企業、自治体などと連携した双方向の「学びの場」を創出するプロジェクトをスタートさせた。地域貢献のあり方を模索する中で、これまで教員らが開催してきた公開講座などを体系づけ、教育・研究成果を発信するとともに市民の声を聞いて地域の文化・教育の活性化を図る。主に学外で展開し、地域のコミュニティーやネットワークづくりにもつなげていく。 「人文学的な学び合いの場を地域に創る」と銘打ち、公共施設や空きスペースを利用したり、地域の文化資源を活用したりしながらまちなかの活性化も狙う。市民や高校生らを対象に哲学、芸術、文学など人文学各分野のテーマを設定する「人文カフェ」、企業や自治体に向けたリベラルアーツ(教養教育)研修などを計画している。

 現在は、学部のルーツとなる旧制松本高等学校時代のドイツ語教師に関連し学生が研究した内容をポスターにまとめ、松本キャンパスで展示している。7月19日には松本市あがたの森文化会館で旧制松高100周年を記念した講演があり、教員と学生の交流やまちとの関わりから歴史を振り返りつつ、未来のキャンパスのあり方を探る。
 目玉企画としては、信大地域防災減災センターのセンター長を人文学部教授が務めていることから、8月5日に市Mウイング(中央1)で開く防災減災シンポジウムを据える。情報の伝わり方次第で二次災害を防げるとして情報伝達やコミュニケーションを切り口に、多文化共生社会の防災減災を考える。
 大学側からの発信だけでなく、市民側からの投げ掛けも次の発展につながると期待する。早坂俊廣学部長は「時間軸や世界とのつながりの中で物事を捉える視点が強み。さまざまな催しを通して、人文学の魅力を味わってもらえれば」と願っている。
 19日の講演は午後6時半から、申し込み不要(定員50人)で参加無料。問い合わせは人文学部総務係(電話0263・37・2234)へ。