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洗馬小130周年で日誌に光 著名人との関係再検証

 塩尻市の洗馬小学校の学校日誌が脚光を浴びている。本年度の創立130周年に合わせて過去の日誌が読み返され、歴史が再検証されているためだ。犬養毅元首相や国文学者の折口信夫、「学生野球の父」と呼ばれた安部磯雄など近代日本の歴史に名を残した各界の著名人が日誌に登場し、洗馬との関わりがあらためて浮き彫りになっている。

 民俗学者・柳田国男が洗馬の長興寺で講演した昭和5年4月25日の日誌からは、授業を4時限(午前)で切り上げ、教職員が午後2時から聴講した様子が分かる。天気は「小雨」だった。目を通した本洗馬歴史の里資料館の中原文彦学芸員は「当日の直接的な資料がごく限られる中で貴重な記録」と注目する。
 大正15年10月11日には洗馬村公会堂の落成に合わせて犬養毅が訪れた。日誌には「政友会顧問犬養毅氏来村。...本校児童に対しては学を楽むの意に付き話さる」とあり、同校には犬養が揮毫した「楽学」の書が今も展示される。
 ほかにも「安部(磯雄)教授、本校野球選手練習視察の上講演=大正3年10月5日」、「校長二時の汽車にて講師折口(信夫)先生を迎えに塩尻駅まで出掛ける=同15年9月26日」、太平洋戦争開戦間際には「陸軍大将小磯国昭閣下...興亜教育状況視察=昭和16年11月8日」などが記される。
 明治~昭和の日誌は同館で開催中の130周年記念展(8月18日まで)に反映されており、中原学芸員は「一地方の洗馬になぜ豊富な顔ぶれが訪れたのか、ひもとくことができれば洗馬の歴史が深まる」とする。林とよ美校長は、学校日誌に5年の保存期間が義務付けられる点に触れた上で「多くの学校がもっと昔のものから保存している。日々の記録が大切な歴史の蓄積になっている」と話していた。