政治・経済

腎臓病重症化予防へ連携 松本市の地域包括医療協

 松本市や市医師会でつくる市地域包括医療協議会は本年度、成人の8人に1人が罹患しているともいわれる慢性腎臓病(CKD、腎臓病の総称)の重症化予防プログラムを作成し、運用を本格化させている。かかりつけ医と専門医が連携し、早い段階で適切な治療につなげ効率的に患者の重症化を防ぐ対策で、県内では先駆けだ。

 CKDは尿タンパクや腎機能低下が3カ月以上続く状態で、心臓血管系の病気を起こしやすくする。悪化し腎不全になると人工透析治療が必要だ。透析では一人年間約500万円の医療費がかかり、市医師会理事の宮本高秀医師は(60)は「本人の生活の質の低下だけでなく社会的負担にもなる」と話す。
 市の対策では、基礎の病気が占める割合が多く対策が重視されてきた「糖尿病性腎症」を含むCKD全般が対象だ。協議会の設定基準を超えた患者は、かかりつけ医から専門医に紹介され、診察で重症化の恐れがある場合は直接治療、軽症だとかかりつけ医に「逆紹介」され治療方針を提案する。
 9日夜の協議会総会で、信州大学医学部付属病院腎臓内科科長の上條祐司教授(50)が6月末までの状況を報告した。腎臓内科の専門医がいる信大、相澤、まつもと医療センター、市立病院には計20人の患者が紹介され、糖尿病性腎症とCKDは各10人。上條教授は「精査が必要な患者が1、2割程度いる」とした。年間70~80症例が連携できれば、人工透析導入の患者数を減少させる可能性があるという。
 市内では、27年度から薬剤師が半年にわたり糖尿病性腎症の食事や運動、服薬の指導をする仕組みもある。市はCKD患者も対象に、特定健診で重症化の恐れのある患者を抽出し医療機関の受診を勧める。協議会の杉山敦会長は「横断的かつ包括的な対応で重症化の抑制に」と期待する。今後は経済評価もしていく方針だ。

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