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南木曽・梨子沢土石流5年 献花式で榑沼海斗君悼む

 男子中学生1人が犠牲となり、40棟を超える建物が被害に遭った平成26年7月の南木曽町梨子沢土石流災害から丸5年となった9日、災害現場跡に立つ石碑の前で、献花式が開かれた。関係者約50人が犠牲となった榑沼海斗君=当時(12)=の冥福を祈り、教訓を忘れず災害に強い町づくりを進める決意を新たにした。

 地元では土石流を「蛇抜け」と呼ぶ。石碑は災害で発生した岩で建立され「平成じゃぬけの碑」と名付けられた。献花式で向井裕明町長は「蛇抜け災害から5年。多くの支援でようやく通常の生活に戻れた」と碑に報告し「災害の教訓を語り継ぎ、これからもここで暮らしていくために災害に負けない町づくりをしていく」と誓った。
 被災地となった東町の原哲章区長(72)は碑に花をささげ、長く頭を下げた。高校3年生の孫が榑沼君と「一番の友達」だったといい「当時はショックを受けていた。孫の思いも込めて献花した」と語った。南木曽が過去に何度も土砂災害を経験していることに触れ「ここは(復旧工事で)整備してもらったが、町全体で安心というわけにはいかない」とし「ハザードマップを使って(危険箇所などを)区民に話していきたい」と表情を引き締めていた。