政治・経済

暮らしや老後安心願う 有権者の声地域活性化も注目

 参議院議員選挙が4日に公示された。松本・木曽地方の有権者らは、年金や消費増税など生活に直結する課題に関心を示す。地域活性化や憲法を巡る論議の行方にも注目している。日々の暮らしや老後の安定、安心を切実に願う一方で、政治に対する冷めた意見も聞かれた。

 10月には消費税率が10%に引き上げられる予定だ。松本市大手2で和紙専門店を営む伊藤慶さん(50)は増税の影響を心配し、「周囲では軽減税率やキャッシュレスの対応が済んでいない店も多い。本音としては増税してほしくないが、上げるなら影響を抑える施策を」と求める。
 介護業界は担い手不足が慢性化している。安曇野市穂高有明の介護福祉士・妹尾洋人さん(55)は「介護従事者の待遇改善に期待したい」と述べた。
 金融庁審議会の報告書をきっかけに年金のあり方がクローズアップされた。松本市野溝木工1の会社員・柳田一樹さん(33)は、子供たちの将来が不安だと感じる。ただ、与党も野党も期待できないとし「次世代の未来を考えて投票先を選びたいが消去法になってしまう」とこぼす。
 6歳と3歳の子供を育てつつ、4月に再就職した塩尻市広丘堅石の平田涼子さん(42)は「参院選は正直、『雲の上』の話」と感じ、身近に捉えにくいが「子育て世代についてしっかり考えている人を選びたい」と語った。
 少子高齢化が進む中、地域の先行きに対する不安は切実だ。上松町荻原の農業・井領千穂子さん(74)は「買い物をしても誰とも行き会わない。町が寂れてきている。若者が働ける場をつくり、人を呼び込んでほしい」と願う。筑北村坂井の農業・滝澤秀夫さん(61)は、必ず投票には行くが今は「期待しても変わらない」という思いも強い。政治家への期待は以前より薄れたが「集落でも子供の数が減り、高齢化が進んでいる。少しでも状況が改善されれば」と話した。
 安倍晋三首相は、憲法改正の国会発議に必要な3分の2以上の勢力確保に向け、野党議員にも賛同を呼び掛ける意向を示す。松本市岡田松岡の元教員・中川述之さん(85)は「日本の行き先、運命を決めてしまうかもしれない大切な選挙。しっかり考えて投票したい」と力を込めた。