連載・特集

2019.7.7みすず野

 「人間の寿命は125歳」が持論だった。83歳で亡くなる前年の始業式の訓示でも「我輩は死ぬまで覇気を失わない」と気を吐き、学生に運動を奨励した。御説に従えば、当方まだ人生の半分も生きていない◆規則正しい生活を好み、昼間はひっきりなしの来客と語らい、夜の時間を読書に費やしたという。70歳で日米野球の始球式のマウンドに立った。決まって打者が空振りをする嚆矢とか。『大隈重信演説談話集』(岩波文庫)を面白く読んだ。100年前の時代背景を念頭に置かなればならない箇所も含めて◆参院選のさなかである。政治について語った章でもページを繰る手が止まった。政界の腐敗と投票棄権の増加を嘆き、選挙権をおろそかにするのは「道楽息子に実印を渡」すようなものとして「国家百年の大計は選挙人の決心如何」だと。演説の名手の面目躍如だ◆露地スイカの出荷が始まり、甲子園を懸けた戦いも開幕した。小暑のきょうは島立堀米のはだかまつり。子供らの「オンヤーサー、モンヤーサー」の掛け声が響く。「七たび転んでも八たび目に起きればよい」と老侯に励まされ、もう少し頑張ろうと思った次第。