連載・特集

2019.7.23みすず野

 梅雨の悪天候が続いて、日照不足による農作物の不作などが心配されるなか、日差しが戻った日があり、雲の峰が眺められた。雲の峰とは積乱雲、入道雲のこと。積乱雲は夏以外でも時折現れるが、青空にもくもくと盛り上がるさまは、夏ならではだ◆積乱雲をその地方地方で「〇〇太郎」と呼ぶという。当地では聞かない。「未来の雷や雨まで予告してくれるのだから尊い、神秘的な雲でもある。雨占いはどの民族も昔は大切にした。やはり峰=御嶺なのである」と、国文学者の中西進さんがつづっている(『ことばのこころ』東京書籍)◆梅雨が長引く分、夏は短くなる。そんな今夏、幾度見事な雲の峰を見られるだろうか。気がつけば、という言い方は適当でないかもしれないが、夏の高校野球県大会、大相撲名古屋場所が終わっていた。高校野球は中信勢が一つもベスト4に残らず、盛り上がる前に幕を下ろした。大相撲の御嶽海も、目標の2桁に届かなかった◆きょうは大暑。一年で最も暑い時期とされる。ぼつぼつ梅雨も明けるだろうから、元気を出して盛夏を乗り切りたい。「揚物をからりと揚げて大暑なり」(鈴木真砂女)