連載・特集

2019.7.20みすず野

 にわかに読書量が増えた。これまでも全く読まなかったわけではないが、必要に迫られ、寝床へも本を持ち込んでいる。連載企画を検討する会議で雰囲気に流され、うっかり「文学散歩なんてどうでしょう」と言ってしまったのだ◆意見を聞き入れられることなどあまりなかったのに今回は「採用」となった。中信エリアの文芸の舞台や作家の足跡を訪ね歩く。もとより門外漢だから深い所に筆が届かない。さりとて主観と文献の引用のみだと薄っぺら過ぎる。一編ごと必ず人と会うよう自らに課した◆他県の人がうらやむ文学ゆかりの地元を改めて見直し、書店や図書館へ足を運ぶきっかけにしてもらえたらうれしい。書き手には未知のジャンルや作品に触れられ、久しく書棚で眠っていた本を引っ張り出す機会となりそうだ◆池波正太郎が愛した酢豚を味わい、泉鏡花記念館(金沢市)の学芸員に電話で教えを請う日が訪れようとは!うっかり発言もどこでどう転ぶか分からない。そのうちに同僚記者が「この程度の記事なら私のほうが」と筆を執ってくれるだろう。毎週月曜日付に載る。お付き合いとお導きをいただけたら幸いである。