連載・特集

2019.7.18みすず野

 昔から「種は三粒まきなさい。一粒は鳥のため、一粒は虫のため、もう一粒が芽を出して育てばいい」と言われたそうだ。鳥のため、虫のためにまいている人はいないと思うが、確かに野菜の種は二粒、三粒を一緒にまいたほうがいい◆一粒だと、そこから芽が出ない場合まき直しだし、まき直しは適期にずれが生じたりする。農業のプロでもない者が、えらそうに書いているが、自称「週末農人」のわずかな経験からそう感じる。「田畑に足繁く通うことである。近代的な時間を犠牲にして通う。それは人間にとって、真の『共生』を実現するために必要なことなのである」◆元福岡県農業改良普及員で、NPO法人農と自然の研究所代表理事の宇根豊さんという人が、『国民のための百姓学』(家の光協会)で述べている。週末農人では日々畑で作業するのは難しいが、通うくらいは可能。作物の成長の様子を見つめることはできる◆キュウリなど夏野菜が取れ出した。先月、ひょうに降られて葉っぱがずたずたに傷つき、木自体に元気がないけれど、一日数本は収穫でき、おいしい。「物言わぬ独りが易し胡瓜もみ」(みどり女)