連載・特集

みすず野2019.7.14

 阿禮神社の例大祭はきのう宵祭り。彫刻と装飾を周囲に巡らせた地区自慢の豪華な舞台(山車)が曳き回され、屋根に立って大きな房を振る若衆の掛け声が塩尻市に夏の訪れを告げた。延喜式神名帳に載る「式内社」と歴史を伝える◆中山道の塩尻宿にある。境内に掲げられた縁起によると、五百砥山そのものが御神体の大神信仰を起源として、古代から地域の豪族や武家が武運の神と仰いだ。ようやくこれで中信地方の式内5社をコンプリートできたぞと、拝殿前のこま犬一対をスマホのカメラに収めた◆きょう本祭りでは仮装行列の「俄」も地区内を巡るという。江戸時代から上方で盛んに行われ、色街の座敷や境内の仮小屋で芝居を演じた(松竹新喜劇公式サイト)笑いが目的の民衆芸能「にわか」の流れだろう。「俄」と名の付く行事は今日この地域にどれほど残っているのか。識者に教示を請いたい◆平安時代に坂上田村麻呂が蝦夷征討の戦勝を祈願した、と縁起にあった。安曇野の八面大王伝説につながる。安曇族や、式内社に比定される池田町の川会神社との関わりはどうか。古代史は地域の境を越えて考えなければならない。