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おさんぽカフェ9月閉店 松本の親子向け喫茶

 幼児を連れた親が気兼ねなく過ごせる喫茶店として親しまれている、松本市高宮南の飲食店「おさんぽカフェ」が、9月下旬に閉店する。県内初の親子向け喫茶として平成20年に開店し、食事や設備などあらゆる面で子育て支援サービスを展開してきた。一方で、周囲に子連れ歓迎の飲食店が増えてきたことなどから、「地域貢献として一定の役割を果たせた」として、11年にわたる営業を終えることを決めた。

 おさんぽカフェは、元銀行員の小林淳一店長(46)=山形村=が子育て支援を目的に独立開業した。広さ約50平方メートルの店内に、大型立体遊具を設けた遊び場や、子供の遊ぶ姿を見ながら食事ができるカウンター席やテーブル席、乳児連れ向けの座敷部屋があるのが特長だ。安心、安全な食事として地元の旬の食材を使った手料理を提供し、親子同士の交流を図る各種教室なども開催している。
 子育てをしながら働ける場にしたいと、育児中の女性スタッフたちが子供をおんぶしながら接客をするなど、母親の就業支援にも力を入れる。
 リピーターの家族が多い。来店者数は11年間で延べ1万8000組を超えるという。閉店を惜しむ声は多く、共に幼児と一緒に訪れた大輪真理子さん(29)=松本市里山辺=は「子供たちが遊具で安全に遊んでいる間に、大人同士で安心して食事ができる」、市川瑞季さん(32)=安曇野市豊科=は「子供が遊べるご飯屋さんがなくなるのは残念。子供をおんぶしながら働くお母さんの姿を見てすごいと思っていた」と話す。
 小林店長は「充実した運営ができたのは、お客さんとスタッフに恵まれたおかげ」と感謝する。今後は子供の育成支援事業を目指し、「たくましさ、思いやりといった人間力がある子供に育てる塾」の開業を夢見る。「誰かのために生きる、幾つになっても新しいことにチャレンジできることを子供たちに身をもって示したい」と意気込んでいる。

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