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40年丹精盆栽盗まれる 松本の山中元美さん

 松本市本庄2の山中元美さん(76)が40年以上手塩に掛けて育ててきた糸魚川真柏の盆栽2鉢が、何者かに盗まれた。市内の品評会で入賞を果たす高評価を受けた鉢もあり、30代から真心込めて世話をしてきた鉢が盗まれたことの悲しさと悔しさは日を追うごとに増している。

 「あれ、おかしいな」。今月1日の午後2時すぎ、アルバイト先から帰宅した山中さんは、玄関前の異変に気付いた。玄関横の棚に置いていた2鉢の盆栽がなくなっていた。
 盗まれたのは、それぞれ高さ10センチと30センチのヒノキ科の常緑高木・ミヤマビャクシン。細い葉や細かい枝分かれが特徴の糸魚川真柏の盆栽だ。
 2鉢は山中さんが新潟県糸魚川市で買い求めて以来、40年以上にわたり真心込めて育ててきた。30センチの盆栽は4年ほど前に市内の愛好家たちが出展した品評会で入賞し、「自慢の一品」と胸を張るものだった。
 「盗んだ盆栽を眺めて楽しいのか」と山中さん。事件から2週間余り、盗難を免れた盆栽は外から手が届かない自宅敷地内に置いている。毎日の水やりや定期的な剪定を欠かさないが「手入れをしていると盗まれた鉢を思い出す」と涙を落とす。
 「これまで育ててきた愛情までも盗まれた気持ち。返してほしい」。無事の帰宅を祈り続けている。