政治・経済

安曇野市商工会と市の事業承継サイト 都会で関心高く

 安曇野市商工会と安曇野市が、後継者不足に悩む中小企業や個人事業主に対し、民間のマッチングサイトを通じて第三者に事業承継する支援を始めて1年が経過した。市内企業の登録はこれまでに4件で、成約に至ったケースはまだない。ただ「安曇野」の地名が持つブランド力は、自然豊かな地方への移住を希望する都会人の関心を集めているもようで、問い合わせは多い。

 事業売買のマッチングサービスを展開する「トランビ」(東京都)と連携し、第三者への譲渡を望む地元企業のサイト登録事務を無償で代行する取り組みを始めたのが昨年6月だ。これまでに温泉旅館、飲食店など市内の4業者を登録した。ある飲食店の場合「自然に恵まれた信州安曇野で引き継いでいただけないか」とサイトでPRしたところ、40件以上の問い合わせがあった。会社勤めを辞めて都会の騒がしさを離れたいと望む人の関心が高いという。
 経営者の親族、従業員以外の第三者への事業承継には、一般的に身売りのイメージを持つ人が少なくない。商工会の平成29年の中小企業アンケートによると、事業承継を決めている148社のうち第三者への後継はわずか5社だった。
 ただ、起業、創業の手段として事業承継を求める動きは全国的に強まっている。市と商工会は全国に先駆けてトランビと連携し、事業の買い手に一定の信頼感を与えることで事業承継を促そうとした。商工会は今年から創業と事業承継の相談窓口を一本化している。経営支援員の金森俊文さんは「事業承継を後押しする国の支援策もあり、全国的にはいい流れにある。できるだけ早く成功例をつくりたい」と話している。