教育・子育て

障害者交流38年、いわたりの心育む 梓川中で伝統の福祉活動

 松本市の梓川中学校(板花利美校長、473人)は、生徒たちが地元の障害者支援施設・梓荘を訪れて入所者と交流する福祉活動を長年にわたって続けている。昭和56年に始まり今年で38年目で、生徒たちは車椅子の利用者を介助する体験や、施設の装飾作りや草取りなどを通して障害者への理解を深め、いたわりの気持ちを育んでいる。

 現在は総合的な学習の授業の一環で、1年生と3年生の全員がクラスごとに梓荘を訪れている。5日は3年1組(担任・妹尾圭子教諭、30人)が訪れて、山田克美・支援課長から車椅子の利用者の安全な介助の仕方について説明を受けた。実際に入所者を乗せた車椅子をゆっくりと押し、優しく声を掛けながら庭を散歩する体験をした。最後に全員で合唱をして、利用者と和やかな時間を過ごした。
 梓荘によると、1年生の時は初の訪問で戸惑いながら接する生徒が多いが、経験が理解を深め、2回目となる3年生の時は積極的に関わる様子が見られる。3年1組の大越温真君(14)は「車椅子を押す時に責任を感じた。どんな人に対しても差別のない気持ちを持ちたい」、学級長の内山美有奈さん(14)は「障害のある方に自然に優しく接すればいいことが分かった。将来に生かしたい」と自信を持って話していた。
 梓川中では、生徒会のボランティア委員会が主体となり全校でべルマークの回収活動を続けている。ベルマークで購入した物品を福祉施設などに寄贈しており、梓荘には今年も、入所者の顔や体を拭くタオルを温める保温器を贈る。
 梓荘は昭和53年に開所し、今年40周年を迎える。福祉体験をきっかけに、福祉の仕事に就く梓川中卒業生も少なくないという。梓荘には今春高校を卒業した梓川中OBの女性1人が職員として働いている。梓荘の小出充則施設長は「中学時代の福祉体験が子供たちの心を育て、将来につなげてくれたら」と願っていた。