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重文民家の継承へ意見交換 塩尻で全国組織が総会

重文民家の継承に向けて情報を共有する参加者たち
 重要文化財に指定される民家(重文民家)の所有者有志でつくる全国組織「NPO法人全国重文民家の集い」の本年度総会が1日、多くの重文民家を誇る塩尻市で開かれた。気候風土や歴史文化を色濃く反映した重文民家は、将来へ継承すべき文化遺産として価値が認められる一方、所有者の高齢化や維持管理の労苦が課題として挙げられる。いかに課題を解消し、保存活用を図るか、全国の関係者が知恵や情報を共有し今後を展望した。
 市内のホテル中村屋を会場に、重文民家を所有する全国の個人や法人、文化庁や研究機関の専門家ら約80人が出席した。参加者をもてなすホストハウスは江戸時代に旅籠だった重文小野家住宅(塩尻町)が務めた。  出席者たちがざっくばらんに意見交換したのはフリートークの時間だ。県や府による補助金の打ち切りや、文化財修理に伴う個人負担金の捻出の難しさを訴える声が上がった。山口県の女性は「一般的に保存活用や公開を求められるが個人では限界がある。民間でも息長く維持できるよう行政の力を貸してほしい」と願っていた。  関係者によると集いは約40年前に発足し、平成19年に法人格を取得した。全国には公有を除いても200件もの重文民家があるが、当主の多くが高齢者で後継の見通しがないケースも少なくないという。三木信夫代表幹事は「次代の手に負えない"負の遺産"にしないためにも知恵を出し合い続ける必要がある」と話す。  総会は会員の重文民家が持ち回りで開き、2日目は開催地の文化財を見て回るのが慣例だ。塩尻市には6軒の重文民家があり、2日は小野家住宅、堀内家住宅、奈良井宿の手塚家住宅を見学する。