連載・特集

2019.6.7みすず野

 「どうにかなる」と思っているが、「どうにもならない」ということだ。それはわかっていたが、昭和の高度経済成長期を知り、平成のバブル期を体験した世代は、どうにかなってきたので、老後もそう思っている◆だが、次の世代、若い世代は本当にどうにもならない。年金だけでは暮らせない。賄い切れない。金融庁が先日、公的年金をあまり当てにせず、自助努力で老後に備えてほしい、分散投資による資産形成を図ってもらいたい、と国民に呼びかけた。家計の投資を促す狙い◆政府が年金の限界を認め、どうにもなりませんから、おのおの老後の準備をしてください、と公に発表したとも受け取れる。しかし、次世代のどれだけの人が貯蓄を増やし、投資に回せるというのか。60歳を超えてなお、住宅や教育ローン等に追われる人に、いつ資産形成しろというのか。大体投資には知識が求められ、リスクがつきまとう◆そもそも国の財政が破綻しない保証はない。これからの人たちが、「人生100年時代」を生き抜くのは、全くもって大変である。将来のことは考えたくない、と思考停止に陥る若者がいて不思議はあるまい。

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