連載・特集

2019.6.24みすず野

 「新しい元号は『平成』であります」。当時の小渕恵三官房長官から発表された新元号によって、平成という時代は始まった。きのうのことのようだが、すでに令和である。平成の30年間に何を得、何を失ったのか、などと考えても時すでに遅し◆平成元年、1989年の出来事として記憶するのは、国民的歌手だった美空ひばりの死だ。1月に昭和の幕が下りて約半年、6月24日、ひばり死去の速報が流れたとき、多くの国民が「ああ、昭和は終わった」の深い感慨にひたったのではなかったか。上伊那郡箕輪町に、児童文学作家・小沢さとしさんが経営する資料館「美空ひばり歌の里」がある◆過日第20回(最終回)美空ひばりまつりが開かれ、小沢さんがひばりとの縁を語られた。長編『青空大将』が新人賞を受けた際、出版社が企画した記念対談の相手を、半分冗談で「ひばりさんでお願いします」と言うと、何と実現してしまった◆昭和47(1972)年夏のこと。以来10年間、小沢さんはひばりと交遊を持った。ひばりの一曲「歌の里」の作詞も手がけた。資料館は恩返しのつもりで開館、いまも全国からファンが訪れている。

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