連載・特集

2019.6.18みすず野

 米国で日本車が標的にされ、「ジャパン・バッシング」の言葉がはやったのは30年ほど前。日米貿易摩擦だ。米国が不満を募らせ、日本に改善を強いる構図が繰り返された。それだけ日本製品は優れ、日本経済は強かったということだろう◆いまあまり聞かれないのは、日本が脅威でなくなったためか。代わって米中貿易摩擦である。折しも東京財団政策研究所主席研究員・柯りゅうさん(中国)の「米中貿易戦争の行方」と題する講演を、松本市内で聴いた。柯さんいわく、米国の貿易戦争の本丸は、習近平独裁の中国政治体制を壊すこと◆「中国の国づくりは、日本の明治の富国強兵策と似ている」とし、軍事力に力を入れ過ぎると国は崩壊する、中国の経済規模は大きいが、技術力が伴っていない、科学力をつけるには100年要する、などと分析、ことしは日中の年になりそうだが、どう動くかは正直わからないと述べた◆米中貿易摩擦は、日本の企業も対策を迫られている。日本企業の中国拠点から米国への輸出総額は、年1兆円規模だそうだ。生産拠点を日本国内、タイ、ベトナム等に移す企業も出てきた。どうなることやら。

連載・特集

もっと見る