連載・特集

2019.6.17みすず野

 中学校の校長を定年まで1年残して辞した人だと聞いていた。しばらくして、本格的な評論集『清沢洌と植原悦二郎―戦前日本の外交批評と憲法論議―』を出され、何とか読み終えて、安曇野市三郷のご自宅に取材に伺うと、著書の話より新聞批判を展開され、まいった◆高坂邦彦さんである。近代日本の歴史観と、教育への信念を持っておられ、言うことはきついが、書き手としてはうってつけの方と思って、本紙のリレーコラムの執筆をお願いした。「炉辺閑話」と題して、平成14(2002)年4月から毎月1回、7年間84編書いてくださった。全編を『犬の遠吠え ごまめの歯ぎしり』と題してまとめられた◆「昭和前期はドイツかぶれの軍人、官僚が国を破滅させた。今度は米国かぶれの政治家、学者、官僚が新自由主義という悪政で日本を壊しかねない」「日本は株主のための資本主義ではなかった。それがいま、経済の前に道義、精神が崩れてしまった。気に入らない」と言ったあと、所詮は犬の遠吠えなんだがと◆改めて読んでみたい人には、無料で進呈するという。市民タイムス本社、安曇野・塩尻支社に若干あります。