連載・特集

2019.6.14みすず野

 「90歳を過ぎたら自分の身じまいは自分で決めていいと、国が認めること。『積極的安楽死』を認める法整備を求めるものです」。新刊『ひとりの覚悟』(ポプラ新書)で、90歳以上の「安楽死」解禁を堂々主張しているのは、宗教学者の山折哲雄さんである◆山折さんいわく、誰もが安楽に死を迎えたいと願っているのに、それが思うに任せない。「人生100年時代」の長い余生を過ごすことが可能になった日本人だが、現状では老いも若きもお先真っ暗、国を挙げて「理想の逝き方」を話し合うときではないか◆無常観、死への賢慮が日本文化には根づいており、それらをたどりつつ、真の成熟社会とは何かを、最晩年を迎えた山折さんはつづる。折しも松本市浅間温泉に事務所を置く、終活支援のNPO法人ライフデザインセンターの久島和子さんから『旅立ちのデザイン帖』(亜紀書房)をいただいた◆ガイドブックである。終末医療の主役は自分、墓に財産は持っていけない、変化する葬儀、遺言・相続についてなどわかりやすい。安楽死は難しい問題だが、人生の幕引きを自ら考え、準備する時代が訪れたことは確かなようだ。

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