連載・特集

2019.06.16みすず野

 「父の日」の花は黄色のバラが定番とか。知らなかった。信頼や尊敬の気持ちを象徴する黄色いリボンからの連想だと、紙面で読んだ。省みれば何と程遠い父親像か◆明科の龍門渕公園へと足を向けた。始まった35回目の「あやめまつり」は来週末に多彩な催しを予定している。かつて「5万株」と記事に書いた。長年の連作がたたったか、花つきが悪くなり、地域の人たちが一から出直そうと土の入れ替えや株の植え替えを進める。向こう数年は花でもてなすのが厳しい◆花札で5月の種札は八橋を描くから、菖蒲を「アヤメ」と読んでも花はカキツバタ。明科のはハナショウブで、昭和55年ころ町おこしで栽培が始まった。犀川に架かる橋の欄干を薄紫色に塗るほど親しまれた町の花だった。あやめまつりはバスも乗り付ける盛況ぶりで、合併まであった明科支局にもウグイの唐揚げや団子の差し入れが届いた◆いったんやめたイベントを復活させるのは難しい。あの花の眺めを再びと願い、まつりを途切れさせなかった心意気がうれしい。園内のあずまやを囲む花壇に紫色の花がぽつぽつと咲いていた。まるで希望の灯をともすように。