連載・特集

みすず野2019.06.05

 「甘えてるんだよ」「怠け者なんじゃないのか」「結局、親に食べさせてもらってるんだろ」「働かざる者食うべからず」...。引きこもりを話題にするとき、こうした言葉が聞かれる。引きこもり者に対して厳しく、冷たい見方をしていると実感させられる◆自分は引きこもりたくても引きこもってなどいられない、との思いがある。こうした世間の目、もしくは偏見が当事者をいっそう引きこもらせ、抱える家族を孤立させてしまう。川崎市で起きた児童らの殺傷事件、東京・練馬の76歳の元農林水産事務次官の長男刺殺事件は、中年の引きこもり、その家族の痛苦を浮き彫りにした◆いじめ等が原因で、学校時代に不登校を経験した人が、社会人になって再び引きこもる、と見られがちだが、そうではなく、社会に出てから人間関係などがうまく行かず、離職し、そのまま引きこもってしまうケースが目立つ。高学歴の両親がいる家庭で起きることが多い、とも言われる◆家族、とりわけ高齢化した親の苦悩は察するにあまりある。自己責任とせず、抱え込まず、自治体などに設けられた相談窓口や支援センターにSOSを発してほしい。