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南木曽のJA妻籠購買店きょう閉店

 江戸時代の宿場情緒を伝える南木曽町の妻籠宿の町並みの一角にある、JA木曽の妻籠購買店舗が31日で閉店する。観光客の利用が主となっており、地元組合員の店としての役割を終えたと判断した。建築年や開店時期は定かでないが、町並みを形成する貴重な建物の一つとして重要伝統的建造物群保存地区(重伝建)の特定物件に指定されており、JAは建物の後利用について町に相談している。

 JA木曽や古参住民の話によると、店はかつて農協の事務所が併設されて生鮮品も販売し、地元住民に愛用された。しかし近年は土産品と日用品が主で、買い物客のほとんどが観光客となっていた。売り上げも伸び悩んでいたという。
 農協事業は法律で、組合員以外の利用を一定以下に抑える必要があり、法制度とも客層の実態が合わなくなった。JA木曽が本年度から3年計画で進める、事業拠点の効率化・合理化の取り組みの先行事例として、大桑村の野尻出張所の購買店舗、木曽町の三尾委託購買店舗と共に、5月末での閉店が決まった。
 地元には既に説明と周知を終えており、住民からは「寂しい」との声が寄せられたという。少ないとはいえ、車を持たない高齢者など地元の買い物客もいたといい、JA木曽は「長年ご利用いただいてきた方に申し訳ない」とし、理解を求めている。
 町教育委員会によると、建物は伝統工法で建てられた木造平屋で、広さがおよそ260平方㍍ある。JA木曽の田屋万芳組合長は、町に後利用を相談する理由について「妻籠は観光の拠点でもある。公共的な利用ができないかと考えている」と説明している。