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鹿の食害防止へ忌避剤散布 美ケ原高原で試行へ

 県は本年度から3年間、高原植物がニホンジカによる食害を受けている松本市郊外の美ケ原高原(標高約2000メートル)で、臭いと味で食害を防ぐ忌避剤を試験的に散布する。諏訪市の霧ケ峰高原で行った実証試験で一定の効果が確かめられており、シカの侵入を防ぐ電気柵が設置できないような場所などでの活用が期待される。
 27日に県美ケ原自然保護センターで開かれた、有識者や土地所有者、行政機関などで組織する美ケ原自然環境保全協議会の会合で方針が了承された。
 県によると、忌避剤は鶏卵が主な成分で化学成分は含まれていない。霧ケ峰高原で平成28~30年に行った実証試験でニッコウキスゲに使ったところ、ニホンジカの食害を防げることや、他の動物に顕著な影響が見られないことを確認した。
 美ケ原高原ではニホンジカの生息密度が非常に高く、全域で高原植物のヤナギランの開花がほとんど観察できなくなっている。アザミも開花前のつぼみが食害を受け、昨年は生育地で2割しか開花しなかったという。
 忌避剤を散布する予定の場所は、県自然保護センター近くのヤナギランとアザミの生育地で、6~8月にセンター職員が散布を担当する。3年間の試験的使用で使い勝手などを調べる考えで、県環境保全研究所は「電気柵が設置できない険しい地形や資材を持ち運べない場所で活用できれば」と見据える。