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池田の魅力あふれる木版画 塩入久さんが町に寄贈

制作過程を甕町長に紹介する塩入さん(右)

 松本市元町3の木版画家・塩入久さん(70)は22日、池田町から望む北アルプスと四季の移ろいを表現した木版画2点を同町に贈った。町北アルプス展望美術館で寄贈式があり、町内から見える北アルプスを数多くの作品に表現している塩入さんは、作品を通じてその美しさを広く伝えたいと願った。寄贈作品は同館が収蔵し、常設展示を計画している。

 塩入さんは池田町などを創作の場にしており、感謝を込めて作品を寄贈した。同美術館で6月23日まで「版画に恋して28年 塩入久展~四季を彩る木版画の世界」が開催されているのに合わせて寄贈式を開いた。式で塩入さんは、町の東山麓から見る北アルプスの流れ(形)がすばらしいとし「町の皆さんにあらためてこの環境で暮らすすばらしさを感じてもらえたらうれしい」とあいさつした。
 有明山と満開の梅の花を題材にした寄贈作品「梅香る頃」(8号)は、水晶の粉末を混ぜた絵の具で光り輝く有明山を描き、春遅い安曇野に春が訪れた喜びを表現した。梅の木には砂を使って古木の質感を出した。散文詩も添えている。
 「秋桜」(40号)と題した作品は、36色を使って秋の夕暮れの有明山とコスモスを描いた。木目を生かした空気感や、青からピンク、朱色へと変化する空の色合いが特徴的だ。塩入さんは「町から見える夕景はいつも美しく、今日はどんな夕焼けが見られるのかという期待を込めた」と説明した。
 甕聖章町長は「町の象徴・有明山が描かれ、大変に親しみやすい。町の宝の一つとして大切にしたい」と感謝した。
 「版画に恋して28年」では、塩入さんが手掛けた初期作から新作まで全約180点のうち約150点を紹介している。市民タイムスの紙上で平成29年4月~31年3月に掲載した「木版画 北アルプス山麓の四季」の全作品48点をはじめ、油彩画や切り絵、制作道具、版木も展示しており、塩入さんの制作活動に触れることができる。塩入さんは「北アルプス山麓の四季折々の魅力を感じてもらえたら」と話している。
 25日と26日は、会場で塩入さんのギャラリートークがある。6月1、2、9、15、16、21、22、23日は塩入さんが会場に滞在している。