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新品種の酒米での醸造広がる 松川中心に栽培面積急増

山恵錦の苗が植えられた松川村板取の水田
 県が開発した酒米の新品種「信交酒545号(山恵錦)」の醸造が県内の酒造会社で広がっている。山恵錦の日本酒を一堂に集めた「お披露目会」が20日に長野市であり、県内80社のうち山恵錦を扱う26社の約40銘柄が発表された。寒さや病気に強くて栽培しやすく、味に深みが出る品種で、松川村を中心に大北地域で栽培面積が急増している。主力品種の「美山錦」に続く有力な銘柄となることが期待される。
 お披露目会は酒販店などを対象に開かれた。松川村産米を使った池田町の大雪渓酒造は、純米吟醸を発表した。濃厚なうまみと、ライチのような香りのある酒に仕上がり、杜氏の長瀬護さん(43)は「品種選抜された米なので日本酒の可能性が広がるのが楽しみ。よりおいしくなるよう調整を重ねたい」と話す。  JA大北によると、山恵錦の栽培は村内では3軒が平成29年度に計3・4ヘクタールで2万3130キロ、30年度は計4ヘクタールで2万4840キロを収穫した。今年は4軒に増え、面積が約10・6ヘクタールに広がった。県内全体の30年度の作付面積は計21ヘクタールで、このうち大北地域が12ヘクタールと半分以上を占めた。  同村板取の農業生産法人乳川の里は減農薬の特別栽培米として育て、昨年は5000キロを収穫した。社長の榛葉良行さん(74)は「稲穂が倒れにくく、収量が多くて品質が良く、見た目は山田錦に引けを取らない」と今後の需要の高まりを期待する。  県は農林水産省に系統名「信交酒545号」に変わる正式名称「山恵錦」を品種登録出願中で、農政部農業技術課は「信州の酒のレパートリーを増やし、魅力を高める一翼を担う品種にしたい」と話している。

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