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豊科近代美術館 地元出身画家の作品充実

 安曇野市豊科近代美術館は、ともに旧豊科町(現安曇野市)出身の画家・飯沼一道さん(1940~2008)と奥村光正さん(1942~97)のモダンな油彩画計6点を、昨年と今年に新規収蔵した。2人はともに東京芸術大学油画科を卒業し、抽象画を得意とした。美術館は2人を常設展示する重要な地元作家と位置付けている。コレクションがより充実したことを記念し、6月2日まで公開、展示している。

 飯沼さんは昭和40年、第39回国画展に初出品し、新人賞を受けた。故郷へ戻り、美術教諭として勤めながら制作を続け、後進を育てた。新規収蔵したのは5点で、大作の「晩秋」「地母神」は、稲穂を手にしたり、種をまいたりする人物を描いている。安曇野を眺め続けた飯沼さんならではの土着的な側面がより色濃く出ている。
 奥村さんは小磯良平教室の助手を経て昭和47年に渡仏した。平成9年に55歳で亡くなるまで、パリで活躍し、精力的に制作を続けた。新規収蔵したのはパリを描写した「パリ風景(モンマルトル)」1点だ。奥村さんは、謎めいたイメージに満ちた抽象的な作品で知られるが、風景画でも巧みな技術が光る。
 2人が芸大時代に手掛けた裸婦の習作も飾っている。共に色の差で形を構成しており、澤田龍太郎学芸員は「同じ試みをしていた点が面白い。見比べてみてほしい」と話す。
 記念展は「安曇野モダン2」と題して開催中だ。地元の現役抽象画家・加々美豊さん、森本啓子さんの作品も併せて展示している。
 入館料は一般600円、高校、大学生は400円(中学生以下無料)。月曜休館。午前9時~午後5時。