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花を愛した画家・ちひろの作品並ぶ 安曇野ちひろ美術館

花を愛したちひろがみずみずしい筆致で描いた花々の作品で彩られる会場

 松川村の安曇野ちひろ美術館で17日、中信4市で開催中の信州花フェスタ2019に合わせた企画展「ちひろ・花とともに生きて」が始まった。「花」を生涯のテーマの一つにして80種類以上の花々を描いた絵本画家・いわさきちひろ(1918~74)の絵画や資料計78点を展示している。花を愛し、花とともに過ごしたちひろの「暮らし」と「花の表現」の変遷を時代を追って紹介している。7月16日まで。

 昭和27(1952)年、33歳の時に東京都練馬区に家を建てた頃は、夫と息子3人で暮らす喜びが作品に込められているという。庭で育てた四季折々の花の中からコスモスやキキョウなどを描いたスケッチが展示されている。
 自宅の仕事場から見える庭のバラ棚やアジサイ、チューリップなどの向こうで遊ぶ息子や子供を描いた作品も飾られている。
 激化するベトナム戦争に対して反戦の思いを込めた昭和47(1972)年の作品は、シクラメンの花の中に子供の顔を描いた。懸命に咲く花に戦禍に散った子供たちの命を重ねたという。
 ちひろは、松本市の実家が種苗店だった母・文江の影響を受けて花を愛した。美しい花々、母、妹と花と写る写真のアルバムや、ちひろが作ったシクラメンの押し花などの資料も展示されている。
 担当学芸員の宍倉恵美子さんは「花はちひろの心と創作を支えた大切なものの一つ。『花と子どもの画家』と称されるちひろの描いた花々を楽しんでほしい」と話している。
 19日午後2時からは学芸員による展示解説と美術館隣接の公園での散策イベント「ちひろの花めぐり」も開かれる。問い合わせは安曇野ちひろ美術館(電話0261・62・0772)へ。

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