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児童虐待599件過去最多 心理的圧迫が急増

 松本、大北、木曽地方を管轄する県松本児童相談所(松本市波田)が平成30年度に相談を受け対応した児童虐待の件数(対応件数、速報値)は前年度比21%(105件)増の599件で、5年連続で過去最多を更新した。全国で相次ぐ悲惨な事件を受け、関係機関が連携して初期段階で虐待の芽を摘もうと、早期発見・対応を心がけてきたことなどが件数増の背景にあるが、虐待が減る気配はない。父親による母親への暴力や激しい夫婦げんかを子供に見せる「心理的虐待」が6割以上を占めており、重大な結果を招かないよう、より一層の連携強化・早期対応が望まれる。

 松本市役所で15日に開かれた「市要保護児童対策地域協議会」の代表者会議で、松本児相の武田弘子所長が状況報告をした。
 虐待は、暴力を振るう「身体的虐待」や十分な食事を与えないなどの「ネグレクト」(育児放棄)もあるが、ここ数年は「心理的虐待」の増加が止まらない状況だという。30年度の心理的虐待は、4年前の26年度に比べ2・5倍の378件で、前年度比25%(76件)増だった。
 主な虐待者は実父や実母が9割以上だが、養父などの場合もある。過剰なしつけのほか、再婚や内縁関係など複雑な家族状況も踏まえた上での対応が必要となっている。
 虐待相談を受ける経路は、警察からの通告が324件(全体の54・1%)と最も多く、前年度に比べても96件(42%)増だった。今年1月の千葉県野田市や昨年3月の東京都目黒区の両親による女児の虐待死事件を背景に、悲惨な事件を未然防止する意識の強まりもうかがえる。武田所長は「重い死亡事例につながらないよう関係機関と協力・連携してこれからも対応していきたい」としている。