地域の話題

ロボット草刈り機開発へ 傾斜地用、中山で実証試験

 傾斜地が多い中山間地の農地で大きな課題となっている草刈りの省力化に向け、自律移動ロボット技術を活用した「半自律式草刈り機」の研究開発が進んでいる。国の補助を受けて国内の企業や研究機関が連携して取り組んでおり、松本市中山地区の農地が実証試験地に選ばれた。約2カ月に1回の頻度で試験を繰り返しながら改良を重ね、50万円以下で購入できる量販型製品の開発を目指す。

 海運業の太洋産業貿易(横浜市)や産業技術総合研究所などが平成29年度から研究している。平地用の半自律式草刈り機の実証試験は岡山県美作市で行われてきたが、傾斜地用は中山地区がモデル地区で、東日本で初めて行われるという。
 中山地区での実証試験に向けては、市や地元農家でつくる「市中山間地域農業活性化プロジェクト」が誘致した。太洋産業貿易の今田圭介社長は「松本が熱心で協力いただけるので」と中山地区を選んだ理由を語る。
 中山地区では主に傾斜地に田畑があり、隣接する田畑の高低差が約4メートルある場所も存在する。傾斜がきついあぜの草刈りをするのも一苦労で、危険も伴っている。市農業委員会が市に昨年度提出した意見書の中で、あぜの草刈りの省力化を要望した経過もあり、主要事業の一つに先端技術を使った次世代農業の推進を掲げる同プロジェクトが動いた。
 中山地区での実証試験は14日に始まり、関係者が開発中の草刈り機を試した。無線での遠隔操作や人の手助けを受けての自動走行などが可能で、実現すれば雑草管理の作業時間が5割以上減らせると期待されている。
 同プロジェクトのマネジャーで市農政課の中村尚文課長は「農家が一番苦労している課題が解決され、中山間地の農業に意欲的に取り組んでいる人の手助けになれば」と製品化に期待していた。