政治・経済

スマート農業 安曇野の若手が導入

 情報通信技術(ICT)を活用したスマート農業の取り組みが安曇野市でも始まっている。自動で直進する田植え機や、農業用ハウス内の栽培環境をスマートフォンで確認できるアプリなどを若手農家が取り入れ、栽培技術の向上に役立てている。昔ながらの農業の在り方も、世代交代や農地集積が進む中で変わりつつある。

 堀金烏川の水田で、田植え機に乗りながらハンドルを握らず、後ろ向きで苗を補充していたのは、GPS(衛星利用測位システム)搭載の田植え機を昨年購入した斉藤農園(堀金烏川)の専務・斉藤岳雄さん(46)だ。始点と終点を設定すると、その基準線と平行して自動で直進する。切り返しは手動だが、走行中に苗を補充できるため作業時間を短縮できる。購入のきっかけは、区画面積を3~5倍に広げた周辺一帯のほ場整備だ。「後ろを振り向きながら慎重に真っすぐ植えることを考えなくていいのは気が楽」
 脱サラして昨年就農した夏秋イチゴ農家の山田太一さん(45)=三郷明盛=は就寝前、スマホで専用アプリを開き、ハウスの室温を確認する。予想より低いと自宅から4㌔離れたハウスに駆け付け、換気口を締め切る。地温や土壌水分量、日射量などのデータもアプリに蓄積し、研究に余念がない。「最大の理由は農業の素人だから。長年の勘を持つ先輩たちに早く追い付きたい」
 堀金烏川の農業法人「あづみのうか浅川」の淺川拓郎代表(37)は、150枚以上の水田の位置情報や作業スケジュールをタブレット端末で管理。従業員の作業場所、時間などから工程の課題を洗い出す。「自分が指示しないと回らない状況では困る。作業の『見える化』でスタッフが自ら考えて行動するようになり始めている」
 スマート農業技術の導入例は市内では少ないが、全国的に注目度は高い。ドローンを使った薬剤散布も行う斉藤さんは「これから導入は増える」とみる。山田さんも「データを蓄積し、農業をもうかるビジネスとして後継者につなげたい」と意気込んでいる。