連載・特集

2019.5.4みすず野

 会田川を冷水橋で渡り、長峰山頂への道沿いに矢ノ澤山の神社はある。境内の合社殿にまつられた天満宮は恐らく安曇野市内で最も標高が高い「天神様」とか。改元の祝賀行事に集まった住民たちが教えてくれた◆矢ノ澤の集落を訪ねるのは合併前いらいだから十数年ぶり。かつての分教場の面影を伝える「學」と刻んだ公民館の屋根瓦が懐かしい。消防倉庫の表示は「明科町」のままだった。地区内から集めたいずれも江戸時代の道祖神碑3基が頑丈な新しい木造建屋の下に並び、古里を愛する人たちの存在が知れる◆住民の一人がこの日のために手作りの記念品を用意していた。ヒバの板に「令和」と書かれた絵馬風の置物で、土偶の顔をかたどった焼き物があしらわれている。安曇野と聞いてそれぞれイメージが思い浮かぶだろうが、全国の考古ファンには「縄文人骨」や土偶が出土した北村遺跡のある所なのだ◆昭和改元時に100人がちょうちん行列をしたという集落は6戸・12人に減った。大正から続けた改元祝いはこれが最後かもしれない。いや5歳が1人!「女の子だ、お嫁に行っちゃうぞ」と境内に笑い声が絶えなかった。