連載・特集

2019.5.15みすず野

 激動の昭和が終わりを告げたとき、沈痛な雰囲気に見舞われたものの、それは一時で、実は日本経済の勢いは米国をしのぎ、最高で最強の時代を迎えていた。日本人の多くがわが世の春を謳歌し、はしゃぎまくっていた◆そのバブルがはじけ、企業の収益が急激に悪化、不況に陥っていったのは、平成3(1991)年の話であった。平成から令和へ、祝賀ムードの中で元号が変わった。若い人たちが希望の持てる、明るい時代が訪れることを誰もが願ったのだが、それに水を差すような景気判断が、一昨日、内閣府から発表された◆中国などの海外経済の停滞が、輸出に影響を及ぼし、景気は悪化に転じたとの修正である。さらに気になるのは、米中の各輸入品に対する関税引き上げ合戦。この貿易摩擦が強まり、米中関係が悪化してゆくと、日本は経済上のみならず、安全保障上も難しい選択を迫られる、と専門家は懸念する◆10月には、消費税が10%に引き上げられる。延期論が聞かれるなか、政府は予定どおりと言っている。増税による景気減速は避けられまい。一方、財政再建も待ったなし。令和の幕開きは厳しいものとなった。

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