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お城の防火対策万全に ノートルダムの火災受け徹底

 フランス・パリ中心部にある世界遺産のノートルダム大聖堂で日本時間の16日に起きた大規模な火災は、松本市のシンボル・国宝松本城を守る関係者にも衝撃を与えた。屋根が瓦葺きで、土壁漆喰の国宝天守は外部からの延焼の危険性は低いとみられるが、木造建造物だけに内部の燃焼性は高い。厳重な防火体制を敷くものの防火設備の多くは昭和期に整えられたものが多く、毎年点検しているものの老朽化が課題だ。松本市はあらためて防火体制の徹底を確認した。

 「ノートルダム寺院はパリ市民の誇りで、松本城も松本市民の誇りだ。それを失うことは文化財を失うことだけなく、市民の誇りを失うことになる」
 松本市文化財課の大竹永明課長はノートルダム寺院の火災に衝撃を受け、火災後の16日朝、課内の朝会で文化財の防火体制の徹底を呼び掛けた。国重要文化財・あがたの森文化会館(県3)など改修中の文化財の防火について特に注意するよう求めた。
 善光寺(長野市)や仁科神明宮(大町市)など県内に五つある国宝建築物のうち、松本城は最も防火体制が構築されているとされる。1年365日・24時間、警備員が配置されている。管理事務所には監視モニターがあり、異変があればすぐに対応できる仕組みだ。煙を感知したら鳴る火災受信機や、丸の内消防署(城西2)に直通する電話も備えている。
 ただ、天守内の消火設備は消火器、消火栓といった人の操作を必要とする設備のため、スプリンクラーなど新たな設備の検討も必要だ。松本城管理事務所の手島学所長は「防火管理体制は厳重だが、老朽化した設備については検討の余地がある。この機会に考えたい」としている。 
 毎年1月26日の文化財防火デーには大規模な消火訓練も実施している。松本広域消防局予防課は「現時点で松本城の防火対策などを強化する予定はないが、文化財防火デーでの訓練は力を入れていく」とする。
 文化庁は17日、全国にある国宝や重要文化財の防火対策に関し、緊急調査を求める通知を都道府県に出した。同庁によると、国宝や重文の建造物が対象で、松本城も調査対象になる見込みだ。

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