連載・特集

2019.4.9みすず野

 何とも重苦しい数字である。内閣府が、半年以上にわたって家族以外と交流せず、自宅にいる40~64歳の「ひきこもり」が、全国で61万3000人いる、と初めて公表した。ひきこもりは、ひと昔前までは主に若年層だった◆ところが、現在は高齢化し、15~39歳のひきこもり数より、中高年のほうが多いのだ。61万人のうち、男性が7割超を占め、期間は7年以上が半数近くにのぼる。この人たちはどうやって生活しているのかというと、3人に1人がかなり高齢の親に依存し、その親の年金が頼り、という人も少なくない◆かつては、友だちや仲間がいなくても、家庭に帰れば癒やされ、外に出て働くエネルギーを蓄えられた。だが、いまは家庭にそういった力がなくなり、さまざまな理由でひきこもり状態になった息子、娘をうまく立ち直らすことができない。一度ひきこもった人に、社会の風は冷たく、家庭内に押し込める◆よく見回すと、隣近所などにひきこもり、もしくはひきこもり気味の人がいる。「自己責任」「家庭の問題」とはせず、相談に乗るなり、何らかの橋渡しをするなり、おせっかいをしていいのではないか。

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