連載・特集

2019.4.19みすず野

桜に雪が積もるなど、寒い日が続いていたが、ようやく春の陽気になって万物が生き生きしてきた。「清明」を過ぎ、明日は「穀雨」。二十四節気の中でもこの二つの時季と言うか、言葉はとてもいい◆自然の移ろいとともに暮らす、ということが、私たち現代人はだいぶ薄れた。そうしなくても生活できる。だが、その無機的な日常が心の乾燥、不機嫌、荒廃、ぎすぎすした人間関係、孤立、無関心を招いているように思われる。時には土の上を歩き、足元の草花や木々の息吹に目をやり、渡る風に身をあずけてみると、たおやかな精神を取り戻せる◆冬の間閉じていた長野農業改良協会編の『四季の菜園 旬の技』(ほおずき書籍)を開く。家庭菜園に勤しむ人にはうってつけの一冊で、4月はどう畑の準備をし、どんな野菜を作り始めればいいか、イラストによる説明もあってわかりやすい。穀雨で黒々した土を耕し、さあやろう、という気持ちにさせてくれる◆あさっては松本市、塩尻市などの議員選の投票日なので、選挙も頭の中に置きつつ、地に足をつけ、自然と親しみたい。そうだ、ツバメがやって来るのもいまごろである。