連載・特集

2019.4.12みすず野

 「近頃ではみそ炊きをする家庭も大変に少なくなってしまいましたが」と前置きしつつ、みそ炊きを4月の恒例行事として取り上げているのは『信濃風土記』(NHK長野放送局編)。昭和54(1979)年の発行なので、40年前にすでにみそ炊きは、消えゆく春の風物詩だった◆安曇野市豊科田沢の増澤洋さん宅で、いまもみそ炊き・みそ玉作りが行われていると先日紙面を飾り、大したものと感心した。時代は5月から令和に移り、昭和はいよいよ遠くなる。田植えをはじめ家族総出の年中行事、作業は風前のともしび。みそ玉作りの光景が、いつまでも見られることを願ってやまない◆田植えと言うと、豊作を祈願する春祭りだ。春祭りはこれからが本番だが、祭りとは神を祀ることを指し、神様を失礼のないよう出迎え、踊りや歌、ごちそうで歓待、豊作を祈る。秋にはその豊作に感謝し、祝う。夏は疫病神が暴れないよう、お払いをしてなだめる◆「春祭りが楽しみだったなあ」。子どもたちは小遣い銭を握りしめて境内に走り、立ち並ぶ露店で綿あめだの、おもちゃだのを求めたもの。幼なじみと思い出話をしたばかりである。

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