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昔ながらの景観に感心 安曇野で萱葺き屋根と屋敷林見学会

茅葺き屋根の民家と屋敷林を見学する人たち
 安曇野市豊科郷土博物館は30日、同市穂高北穂高にある茅葺き屋根の民家と、敷地内にある屋敷林の見学会を開いた。市民ら14人が参加し、趣のある昔ながらの景観を堪能した。屋根の材料となる植物を刈り取り、確保する「茅場」の役割にも理解を深めた。
 この民家の屋根は数年前に全面をふき替え、現在も住居として活用されている。「茅」は屋根の材料に使われるイネ科植物の総称で、ススキやカリヤスなどが使われる。ふき替え工事を担当した小谷屋根(北安曇郡小谷村)の茅葺職人・松澤朋典さん(39)は小谷村には大きな茅場が数カ所あるとし「3年間かけて1万束を確保し、いいものを選んで使った」と説明した。茅場は、草原性の昆虫などが生息する貴重な場所となっており「茅葺きの民家があることで、そうした環境が維持できるということも伝えていきたい」と述べた。  屋敷林は、ヒノキやネズコ、コウヤマキといった針葉樹に、モミジやアセビなどが交じる。地表にはヤマブキやミズヒキ、ワラビ、オモトなどが生え、里山のような雰囲気だ。茅葺きの屋根や屋敷林の維持管理は大変で、金銭面の負担も大きいが、所有者の男性(91)は「古いものが好きだから。やせ我慢だよ。人間が古いからね」などと軽妙な語り口で見学者を笑わせていた。  見学会は同博物館で31日まで開催している企画展「安曇野の屋敷林」の関連事業として実施した。

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