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顧客自身の切った髪をエクステに 山形のヘアサロンが独自製法開発

エクステを試着する小林さん(右)。島田さんも笑顔を見せた
 山形村小坂のヘアサロン「髪工房BAROLO(バローロ)」は、顧客自身の髪で作るヘアエクステンション(エクステ、付け毛)の独自製法を開発し、特許を出願した。髪を束ねる根元部分に工夫があり、取り付けた際に自然な髪型をつくりやすい。通常なら捨てる切った髪を生かし、気軽に髪型を変える楽しみを提案する。
 エクステの根元部分を、髪型になじませやすい平らなデザインにした。丸い根元にすることも考えられるが、取り付け部分がこぶのように膨らんで違和感が出てしまう。ただ、根元が平らだと髪をまとめるのが難しく、ばらばらになりやすい。このため、芯材を工夫するなどして耐久性を確保した。形状の考案や芯材の選定に試行錯誤を重ねた。  このほど、朝日村の朝日小学校を卒業した小林美愛さん(12)のエクステを作った。中学校進学を機に髪を短くするが、伸ばしていた方が「自分らしい」と思っている小林さんの気持ちを、バローロオーナーの島田洋さんがくみ取った。  胸の辺りまで伸びていたのを、首の付け根ほどまでに短くした髪を材料に仕上げた。人のためになるならとヘアドネーション(寄付)をしたことはあるが、今回は自分のために髪を使った。小林さんは「うれしい。髪を短くしたけれど、時には長くできる。出かけるのが楽しくなる」と話す。  島田さんは、切った髪を活用すれば新しいサービスができると考え、1年ほどかけて特許出願にまでこぎ着けた。髪型の変化を楽しむだけでなく、病気などで髪を失っても、ヘアスタイルを楽しむ手段になる。  開発の過程で島田さんは、髪に対してさまざまな思いを抱く人たちと交流した。「特に女性にとって、髪を切るのは不安なこと。試行錯誤をしてきたのは当事者やその家族が喜んでくれたから」とし、小林さんが喜ぶ姿を見て「何よりもうれしく、ありがたいこと」と手応えを感じていた。

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