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93歳の松尾旨雄さんが作詞 故郷・松本の歌作り

ボールペンで歌詞を書く松尾さん。詞を考えることが日々の楽しみとなっている

 松本市城西1の有料老人ホーム・やすら木の家しろのにしに入所している松尾旨雄さん(93)が、松本の四季の美しさを表現した「松本の四季」を作詞した。市内の島内出身の松尾さんは、戦前は旧海軍の通信学校教員、戦後は日本電信電話公社の職員として全国各地に赴任した経験を持つ。「故郷を離れた時期があったからこそ松本に寄せる思いが晩年に一層強まった」と振り返り、その思いを歌詞にした。

 歌詞は4番あり、春夏秋冬が歌われる。いずれも歌い出しは「信州松本深志の里」で、「ああこの地 我らが故郷」で締めくくる。
 松本を歌った歌があまりないと作詞を思い立ち、今年1~2月に作った。老人ホームに入所した3年ほど前から作詞をたしなむようになり、使い終わったカレンダーの裏にボールペンで頭に浮かんだ歌詞を書き留めている。
 松尾さんは島内高等小学校を卒業後、名古屋市にあった逓信省の訓練施設で学び、海軍の通信学校教員として山口県防府市に赴任した。次に勤めた三重県鈴鹿市の航空基地では米軍の爆撃に遭った。その後、長崎県大村市の航空基地に勤務し、終戦を迎えた。
 戦後は電電公社の職員となり、新潟県高田市(現上越市)や長野市に勤務した。「さまざまな場所で暮らしたが、松本の四季の美しさは格別」と話す。春を歌った1番は、戦後の荒廃期に松本で始まった「花いっぱい運動」に思いを寄せ、「世界に誇る花の街」の一節を入れた。戦時中を生き抜いた経験から、平和への願いを込める。
 曲を付けてくれる人を探しているといい、松尾さんは「曲になれば多くの人が歌ってくれるかもしれない。松本の四季の美しさを歌にのせて伝えることができればうれしいね」と話している。

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