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穂高の豊田市民の家 月末に閉館

  安曇野市穂高有明の穂高温泉郷にある愛知県豊田市の保養施設「豊田市民山の家『リゾート安曇野』」が今月末で閉館する。平成2年の開館から28年間で延べ48万5000人の豊田市民が宿泊し、安曇野に愛着を深めながら信州の旅を楽しんだ。閉館が間近に迫る21日は施設の常連客ら約30人がバスツアーで訪れ、市内の文化施設巡りや有明地区の伝統産業である天蚕の繭を使ったコサージュ作りを満喫した。

 施設は鉄筋コンクリート3階建てで、山麓線沿いの松林の中にある。宿泊できるのは豊田市民のみ。低料金と従業員の温かなサービスが魅力で、利用客の多くはリピーターだ。コサージュ作りは大広間で行われ、参加者は地元の天蚕農家・古田春江さんから天蚕の飼育や歴史も学んだ。40回近く安曇野を訪れた福田秀子さん(70)は「信州がもともと好きで、ふるさと感覚で利用してきた。閉館は寂しい」と話した。
 安曇野と豊田の縁は安曇野市名誉市民で漆芸家の髙橋節郎さんが結んだ。昭和59年に豊田市で開かれた展覧会への出展を機に髙橋さんが豊田市に多くの作品を寄贈し「安曇野にも何か恩恵をいただけないか」との口添えで保養施設の建設が持ち上がったという。
 施設は、余暇の過ごし方の多様化や利用者の減少を受けて廃止し、全国各地でリゾート施設を運営する休暇村協会(本部・東京都)に売却することが決まっている。同協会は宿泊施設として引き続き利活用する方針だ。

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